ナキヲのセカイ

光とことばが織りなす世界

2020を美しい言葉で

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 西暦二千二十年がもう、おわる

 

 思えばときの流れがよくわからない年だった

 家に缶詰めにされていると

 寿命が倍になったきがする

 

 口を覆って襟をちぢめて外出すると

 娑婆が目まぐるしくかわっていた

 

 みんな殺気だっていて

 口元を覆っていないひとを口撃したりして

 人の矮小さを感じたりした

 

 みな、感情的だった

 みな、怒っていた

 みな、ないていた

 

 白衣の人たちが其の身を犠牲にしてまで

 いのちを救っていた

 不確実なことが多い中、懸命により良い方法を

 模索していた

 

 

 おんぼろのジェットコースターに詰め込まれたみたいな

 人類

 

 終点がみえなくて

 なにが本当かわからなくて

 だれがえらいのかわからなくて

 

 みんな誰かをジェットコースターから落とそうと

 自分が安全な真ん中の席にすわろうと

 自分がスリルのあるまえの席にいこうと

 

 道徳という名の狂気を片手に

 自らの価値観にそぐわないものを排斥する

 ひとの本性がよく見えた

 

 くる年はよくなるだろうか

 人とは、なんだろうか